2008年11月16日(日)

今日も、午後に奥さんが出掛けたので、
息子と二人で留守番をしました。
午後いっぱい二人でやれたので、
これで留守番も完璧だ!!
と、一人で喜びました(笑)


奥さんが帰って来てから、
僕が大好きな
夢の遊眠社の“贋作・桜の森の満開の下”のビデオを見ました。
息子は奥さんの腕の中で寝息をたてていたんですが、
ラストの悲しいシーンで奥さんが涙を流していると、
息子も何故か、泣き出しました。
すぐに泣き止んだんですが、
子供はやっぱり抱かれている人の感情を
同じように感じているのかもしれないなって思いました。


役者になりたての頃、
客演した劇団の演出家の方に、
役者は色々な人の気持ちがわかるようにならなければいけない。
と言われました。
例えば、殺人事件があった時に、
被害者の気持ちだけでなく、
加害者の気持ちにもなれなければいけない、と。
それ以降、
色々な事件や物事に対して、
色々な人の視点から考える癖がつきました。

そうやって10年くらいが経って今感じているのは、
世の中は単純ではないという、
とても当たり前の事です。

世の中の歪みや問題点は、
とても単純なように見えて、
実は、色々な物事が絡み合って
もつれてしまっていて、
決して単純なものではありません。

社会の問題も、政治の問題も、経済の問題も、
1つ1つ解きほぐして行かなければ、
本質は見えてこないのではないかと思います。

でも逆に言えば、それを1つ1つ解きほぐして行けば、
ゆっくりと本質が見えて来るのではないかと考えています。

そしてそれは、僕たちが抱えている、
家庭の問題や、仕事の問題や、人生の問題と、
同じようなものなのではないかと思います。

家庭の問題と同じように、
政治の問題にも目を向けてみたいというのが、
今の僕の気持ちです。
そして、それは決して、
別のものではなく、
どちらも深く関わっている事なのだと考えています。

そしてそれは、
楽しい作業であると僕は思っています。
疑問を持ち、
それを解明して行くのは、
ミステリー小説を読む事と同じような
楽しさがあると思うのです。

このブログでは、
幅広い色々な事を取り上げて行きたいと思っています。
別に堅苦しい事ばかりを取り上げるつもりもありません。
僕の中ではお笑いも、政治も、アートも、ファッションも、
映画も、芝居も、経済も、音楽も、小説も、
みんな同じ、興味の対象物なのですから。

ただ、出来ればどれも同じように、
面白く取り上げて行きたいのですが、
そこばかりは僕の力不足もあって、
まだまだ自信がありません。
でも、向上して行きたいと考えています。  


2008年11月16日 Posted by リッキー at 22:25Comments(0)日記

高草山

中学校一年生の頃、高草山に登った事があります。
後にも先にも、僕が高草山に登ったことはその一回だけです。
でも、そのときの記憶はやけに鮮明に僕の中に残っています。
その時僕たちは、小学校から中学生になったばかりで、
クラスが離れてしまった友達も結構いました。
そこで、せっかくだからと小学生の時に同じクラスだった皆で、
高草山に登る事になったのです。

まず、自転車で1時間くらいかけて東益津公民館に行って、
その後そこから歩いて高草山に登りました。
今思えば、結構大変な道のりだったはずなんだけど、
当時は平気でした。
季節は初夏の頃で、よく晴れた青空がすごく気持ちよかったです。
中学生時代の僕は、かなり内向的で・・・
と書くと聞こえがいいですが、
根暗で運動音痴のいじめられっこでした。
だから始めはイマイチ、乗り気じゃなかったです。
どちらかというと、何事も無く、早く終われば良いのに、
と思っていたくらい。
でもその日は、いつもと全然違う一日になりました。
僕はその日、何故かスポーツ万能で、
クラスでも人気のあるグループと一緒に山登りする事になったのです。
彼らは、皆がノロノロと山道を歩いているとき、
険しいちょっと登りにくい道を駆け上がっていきました。
僕は運動が苦手だったんだけど、
彼らについてシャカシャカと山を駆け上がっていきました。
やればできるもで、僕は彼らと同じペースで、
軽快に山を登っていく事が出来たのです。
これは僕にとって、革命的な出来事でした。
それまでは、自分は駄目駄目な人間で、
皆で楽しく何かができるだなんて考えてもいなかったのに、
その日の僕は、友達と笑いながら山登りをしていたのです。
心の底から楽しかったです。
そして、山の頂上にたどり着いた時には、
そこから見える青い空に飛んでいけるような気さえしました。
そしてそんな青空を眺めながら、
もう少し自信を持って人と接してみようと思いました。

でも、僕が人と心を開いて接する事ができるようになるもでには、
もう少し時間が必要だったんですが・・・

そんな訳で、僕は高草山を見ると、
今でもちょっと恥ずかしい気分になります。


(昨日、中学時代の事を思い出したので、
 6年ぐらい前に書いたエッセイを引っ張り出してみました。)  


2008年11月16日 Posted by リッキー at 18:42Comments(0)エッセイ

2008年11月15日(土)

今日は休日ですが、
不動産屋さんに行ったり、
ガラス屋さんが来たり、
出産祝いのお礼を買いに行ったり、
僕の両親が来たりで、
結構ばたばたと忙しかったです。

夜には、奥さんがお芝居を見に出かけたので、
初めて、息子と二人きりですごしました。

奥さんも疲れているので、
気分転換して欲しいし、
子供と二人でお留守番出来るようになるのは、
僕にとって、ちょっとした夢でした(笑)。

奥さんが出かけてから、
息子はほとんど寝ていました。
時々不機嫌そうな声を出しますが、
ちょっとあやすとまた眠るので、
お留守番は順調でした。

今日はテレビは見ないで、
音楽を流しながら、
村上龍さんの小説“希望の国のエクソダス"を読んだり、
息子の顔を眺めたりしていました。
音楽は、デアゴスティーニの
クールジャズコレクション2・ビル・エバンスを。
デアゴスティーニの選曲が、意外に最高なのです。

小説が中学生が主人公の話だったので、
子供の顔を見ながら、
中学生の頃の土曜日の夜の事を思い出しました。
子供の頃から、土曜の夜が大好きでした。
何せ、休みの日の前日でしたから、
一番好きでした。
日曜日になると、
逆に、明日から学校になるってことばかり考えてしまって、
朝から嬉しくはなかったです。
今思えば、もったいない(笑)
せっかく休みなんだから、ウキウキしてれば良かったのに・・・
でもだから、土曜の夜の嬉しさと言ったら、
非常に大きかったのです。

そんな事を考えているうちに、
ビル・エバンスがダニーボーイを引き始めました。
僕はビル・エバンスの感動的な演奏に引き込まれるように、
息子の寝顔を眺めました。
そして、この子はいったいどんな中学生になるんだろう・・・
と考えました。

ビル・エバンスの演奏が終わると、
今度はビートルズのアビーロードの、
後半メドレー部分を流すことにしました。

小説の中では、中学生が国会でこんな発言をし始めました。

「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。
 ただ希望だけがない。」

僕はこの発言を読み、思わず顔を上げました。
息子の顔を見るのと同時に、
CDではポール・マッカートニーが
ゴールデン・スランバーを歌い始めました。

中学生時代に僕は、希望なんてものの事を考えた事があっただろうか??
多分全く考えた事がないと思います。
でも、おそらく、希望の事は考えていなくても、
希望の存在は感じていたんじゃないかと思います。
中学一年生までイジメラレッコだった僕も、
ほんの少しの希望だったかもしれませんが、
希望の存在は感じていたはずだと思います。
そうでなければ、
今の僕がここにいるはずがないのですから。

僕が子供の頃よりも、
今の方が希望が見えにくいのかもしれないな、
などという事を考えてしまいました。
今の世の中の歪みのようなものを、
何となく感じています。

その歪みと向き合い、
希望というものが何なのかを探るために、
もう少し勉強をしてみたいと考えています。

ビートルズの演奏が終わったと同時に、
息子が泣き始めました。
僕はアワアワしながら、
ミルクを作り、
ミルクを飲ませ、
オムツを変えて、
暖かい格好に着替えさせ、
奥さんを迎えに行く準備を始めました。

少なくとも今の僕には、
ちゃんと希望がある。

その事を確認してから、
奥さんを迎えに行きました。  


2008年11月16日 Posted by リッキー at 00:22Comments(0)日記